紫禁嬢─魅せられし夜





細身で長身の髪の長い女。

肩幅が広く身長の低い、髪の短い女。


二人は特に会話している様子もなく、ここに群がる不良共に萎縮している訳でもなさそうだった。






「それでさあ、そのネネって奴が作ったチームが、今んとこ最強って言われてんだよねえ」



「‥ふうん」


「つまり、そこを潰せばウチらが最強ってわけよ」


「ふうん、バカだね」






なんとなく、サヤと向かい合って話ながらも、私は視界の隅に二人を捉えつつ、意識を二人に向けていた。






「お会計、920円になります」


『‥‥‥‥』


(‥‥‥)