紫禁嬢─魅せられし夜




それから数日後。


この日はサヤの付き添いで、国道沿いにあるバイク屋に来ていた。







「‥で、自分でアップハン組んだらブレーキホースが届かなくなったと」



「そうなんすよー」



「フットブレーキだけで、よくここまで乗って来れたな‥」







サヤは単車の改造を自分でやって失敗してしまい、直せなくなってここに来る事となった。








「ワイヤー全部、ロングケーブルに交換だな」



「え、交換?‥‥千円で足ります?」



「足りるわけねえだろ」








従業員のお兄さんは、サヤに金が無いと分かると、ため息をついてガレージの方へ向かって歩き出した。







「使い古しでもいいだろ」



「タダならなんでも!」



「‥‥‥‥」








ワイヤーは無料でも、バイク屋の人に頼む時点で有料なはずだが、どうやらあのお兄さんは無料で交換してくれる様だ。








「サヤ、中でタバコ吸ってるね」



「あたしも行く」



「いや、ただ働きさせといてサヤまで居なくなったら失礼じゃね‥」



「たしかに」