紫禁嬢─魅せられし夜





三倍の人数で取り囲まれれば助かるはずもなく、淫我の連中はものの5分で戦闘不能に陥った。








「ボロボロになっちゃったね、その特攻服」



「‥‥‥‥」







地面に倒れ込む相手の総長の前に、再びメイファンが歩み寄った。








「新しいのに取り替えたくなった?」



「‥だ、だから言ってるだろ‥‥

そんな事すれば、先代たちが黙ってない」



「ここに居る何人かも似たような境遇だったけど、今は私の下に付いている。

その意味は分かるでしょ」



「‥‥‥‥」



「それと、勘違いしてそうだから教えてあげるけど、私はあんたに選択肢を与えてるフリをしてるだけだよ」



「どういう‥意味‥」



「下に付きますって返事をするまで、痛めつけるってこと」



「‥‥‥‥」








固まる総長の元にセイラはジリジリと近寄り、地面に付く右手の上に足を乗せてニヤリと笑った。








「‥ま、待って!」  



「‥‥‥‥」



「わ、分かりました‥‥下に付きます」









セイラは手の甲から足を退き、淫我の集団も僅か10分足らずでメイファンの支配下に落ちた。










「‥そう、その言葉だけが正解」



「‥‥‥‥」








この吸収により紫禁嬢の人数は40人を超える事となり、県下最大の人数を誇った黒宝石を僅か数ヶ月で凌駕するチームへと成長した。









(倒せば倒すほど‥

飲み込むのが楽になっていく‥)









紫禁嬢はまるで、食べれば食べた分だけ強くなる生物の様だ。








「特攻服は早めに用意してね」



「‥‥はい」








食欲旺盛な我が君は、この街の全てを食べ尽くしたあと、一体どこへ食べる物を探しに行くのやら。








「帰るよ」









先頭を走る彼女の黄金の刺繍。



その文字の意味を、みんな薄々感じ始めていた。








(‥‥‥‥)