紫禁嬢─魅せられし夜





チーズケーキを食べながら、ふと店内を見渡すと、サヤの仲間ではない二人組の女がカウンター席に居るのが目についた。






「誰、あれ」



「ん?さあ、一般客でしょ」



「‥‥‥」






狭い店内は不良の巣窟。

テーブル席の大半はサヤの仲間が埋めていて、みんなゲラゲラと大声で笑ったり喋ったりしていた為、その静かな後ろ姿に違和感を覚えた。






(‥なんだこいつら。

髪の長い女と、髪の短い女。

背丈もチグハグ‥‥)