紫禁嬢─魅せられし夜





この女に付いていって本当に大丈夫なのだろうか。



一部を除き、みんな心の声が漏れた表情をしている。







「私に運転させろって」



「ここまでリリカの運転だったろ、次は私」



「んじゃ途中で交代ね」








メイファン達が今まで乗ってたバケヨンには風香たちが乗り、セイラは乗る単車の無い後輩を車に乗せていた。








「メイファン、ルートとかケツモチは?」







出発前、サヤはメイファンの隣に並んで尋ねた。

この場合のケツモチというのは、後ろ盾という意味ではなく、パトカーが付いた時に後方で前に出させない役割を担う人間の事。








「先頭は私が走る。

それ以外は適当でいいよ、目印さえ見失わなければ」



「目印?」



「セイラも言ってたでしょ、旗がいらない理由」








メイファンはそう言って、GSのサイレンサー代わりにマフラーにかぶせていたアルミ缶をつま先でカンッと蹴り外すと、エンジンをかけた。






すると、







『!?』








まるでダイナマイトが爆発したかの様な爆音がGSから放たれ、サイレンサーの無くなった直管のマフラーから巨大なエンジン音が漏れ始めた。










「‥まあ、見失えって方が難しいだろうけど」



「‥‥‥‥」