翌週、土曜日の夜。
集合場所の公民館の駐車場へ向かうと、既に20人ほどの人影が奥の方に見えた。
「わお、紫じゃん」
「ん?」
運転するサヤが何かに気付き、私も前を覗き込むと、そこには鮮やかな紫色の特攻服に身を纏うメイファンの姿があった。
「‥‥‥‥」
見慣れない単車に横向きで腰かけ、特攻服のポケットに両手を入れながら向かいに立つセイラと会話するメイファン。
黒一色の私たちとは明らかに異質な存在感を放つ彼女に、私は一瞬、目を奪われた。
「何か言いたそうだね、アンリ」
クスッと挑発的な笑みを見せるメイファン。
「‥‥主張強すぎでしょ、それは」
「象徴だよ。
この街に巣くう、悪い女たち全てのね」
「うわぁ‥悪趣味‥‥」
特攻服にばかり気を取られていると、サヤはメイファンが腰かける単車に注目していた。
「‥これさあ、GSだよね?なんかデカくない?」
「1000だよ」
「え‥マジ‥」
ブラック・メタリックのGS1000E。
レディースが乗る単車の排気量としては規格外のリッターバイク。
男の暴走族ですら250ccから400ccの中型バイクが一般的なのに、メイファンはその数倍の排気量の単車を流しに出そうとしていた。
「‥集まったみたいだね」
その後、全ての人間が到着すると、メイファンはGSから降りて少し場所を移動し、私達はメイファンとセイラが立つ正面に固まって座り込んだ。
「アンリ、こっちに来て」
「?」



