紫禁嬢─魅せられし夜





それから程なくすると、駐車場内に数台の原付き集団が入ってきた。






「来たみたいだよ~、姫」



「‥‥‥‥」







街灯のポールに背中を付けながらタバコを吸っていたメイファンは、吸い殻を中指で弾き捨てるとジーンズのポケットを両手に入れて歩き出し、

原付きから降りた風香たちがメイファンの前に歩み寄った。








「ちわっす。噂の紫禁嬢さんっすよね」



「知ってるなら話は早そうだね。

どうする、戦う?」



「いやいやいや、とんでもないっすよ。

電話来た時点で、そういう話なら下に付こうって事になりましたから、ウチらの間で」



「そう、利口で助かるよ」








腰は低いが表情が気に食わない。


常にニタニタと笑っていて、人を小馬鹿にした様な感じに見える。







「でもウチら、単車2台しかないんすよね。

しかもどっちも盗難車。

流しって原チャリで出ても大丈夫すか?」



「それはちょっと、みすぼらしいかな。

いずれ単車は用意してもらうけど、それまでは私が用意する車に乗るか、他のメンバーのケツに乗ってもらう」



「そうすかっ、なんかすんません。

あと、ウチら金無くて特攻服用意できないんすけど、いつまでに作れとかあります?」



「期限か。そうだね‥‥」








ワンレンの髪を後ろにカキ流し、何やら頭を悩ませる美人さん。








「なるべくなら一ヶ月以内に作ってほしかったんだけど、それじゃキツいよね」



「ハイっす」



「じゃあ、お仕事しよっか」



「‥‥仕事すか?」



「‥‥‥‥」