紫禁嬢─魅せられし夜





バイパスへ出ると、先頭を走るメイファンが明理に振り返った。






「明理、今日は解散でいいよ」



「え、ああ‥‥分かった」







私達とは方向が違う、元、四天玄女のメンバーは、しばらく走った後の中央分離帯からUターンをし、地元へと戻って行った。







「メイファーン、ウチらは?」







明理たちと別れた後、サヤがバケヨンに並んで尋ねた。






「あんたらも帰っていいよ。明日連絡する」



「りょーか~い」







メイファンの後ろに乗るセイラは、ボロボロの顔で歯を食いしばり、怒りがにじみ上げていた。







「春~、ウチらも流れ解散ねー」



「オッケー」






直進するメイファン達にサヤはホーンを2度鳴らし、私達は国道から外れて地元方面へと向かった。








「どう思う、さっきの」







メイファン達と別れてすぐ、私はサヤに尋ねた。







「さあ、危険を感じて退いたんじゃない?

セーラもヤラれてたみたいだし」



「私が残ってて、2対1の状況で?」



「ん~‥‥言われてみると、変かもね」







あの口ぶりからすると、タイマンでもネネに勝つ自信はあったみたいだし、そこに私が加われば負ける可能性なんてほとんど無かった。


なんだか今日一日、彼女に振り回されただけな気もする。







「つーかサヤ、なんで死んだフリしてんの」



「だってあいつら、倒れた奴に追い打ちかけてこないんだもん。

演技してる間に終わるだろうな~と」



「なるほど、ザコか」