乱闘の中心へ歩いて行き、目に付いた敵にとりあえず背負い投げをかました。
「!!」
少し強めに地面に叩きのめした直後、次に近い敵に向かって半歩踏み込み、腹に蹴りを入れると、別の敵が私に殴りかかってきた。
「おっと‥」
「ッ‥」
出してきた右腕を掴み、再び地面に叩きつけると、最初に投げた奴が既に起き上がっているのが視界に入った。
(‥あれ?もう立ってる)
加減が甘かったかなと思い、明理の仲間と戦っていて私に背を向ける敵を背後から掴むと、今度はもう少し強めに叩きつける事にした。
「イッ‥テーなテメー‥‥」
(‥まただ。
こいつもすぐに立ち上がる‥‥)
最初は打ち所が良かっただけかと思ったが、どうやらそれは見当違いだったらしい。
(これはちょっと、厄介かも‥‥)
ケンカには判定勝ちという物がない。
つまり何度地面に叩きつけようが、痛みを我慢して立ち上がり続けてくる限り、試合はエンドレス状態になってしまう。
「もうー、ウッザいなぁー!」
「ガハッ‥‥」
このままではきりが無いと判断し、私は手加減して投げるのを辞め、蹴りやパンチといった普通の攻撃も使う戦い方にシフトした。
(あー、ホンットうざい。
どんだけしぶといんだよ、こいつら‥)
相手の攻撃は余裕で回避やガードが出来る為、私自身にダメージは全く無いのだが、依然として相手の数が思うように減らない。
(まだ半分くらい残ってるし‥‥)
無論、本気でヤレば相手の骨を折ったり立てなくする事くらいは造作も無いが、こんな訳の分からないケンカでそこまでするつもりは毛頭無い。
「コノヤロッ」
「‥‥‥‥」
手加減しながらの殲滅を頭の中で模索していると、敵の一人が蹴りを出してきて、私はわざと脇腹でその蹴りを受けながら片手でその足を取り、反対の手で身体を押し倒す朽木倒という技を繰り出した。
「イッ‥‥!」
(ヤバッ、肩から落としちゃった‥)



