紫禁嬢─魅せられし夜





それから数日後の夜。


この日は焔への襲撃日で、私たちは以前と同じ公民館の駐車場へと集められた。







「‥ねえ、メイファンってコエーの?」






特攻服を纏い集合場所で待機していると、メイファンとはまだ面識の無い明理が私に聞いてきた。







「全然。なんかおっとりしてるよ」



「ホントかよ‥‥

猛獣みたいなセイラを飼い慣らしてる奴だろ‥」



「まあ、温厚な龍だっているんじゃない」



「‥‥‥?」







するとそこへ、セイラを後ろに乗せた黒い単車を運転するメイファンが到着し、私たちはゾロゾロと近寄った。








「揃ってるみたいだね」



「‥‥‥‥」







年下のメンバーは控えめに頭を下げ、サヤがメイファンの単車に近寄ってその場に屈んだ。







「スゲー、バケヨンでしょ、これ。

初めて本物見た」







【CB350F】通称、バケヨン。

CB400F(4フォア)の外装でレストアされた珍しい単車で、メイファンのバケヨンは純正の色ではなく黒光りしたブラック・メタリックカラー。







「あれ?特攻服は?」







サヤは単車から視線をメイファンに移した。






「今日はまだ、私服」



「今日は?」







単車から降り、サヤにクスッと笑いかけるメイファンは、ジーンズのポケットからタバコを取り出し、高そうなライターで火を付けた。








「城と呼ぶには、まだ小さいからね」



「‥‥‥‥‥」