紫禁嬢─魅せられし夜





何やら不安げな表情を浮かべるサヤをよそに、その後のミーティングは30分程で終わり、私たちは再び単車で帰宅した。







「‥なんかさあ、あいつヤバくない?」






帰り道、信号待ちをしているサヤがボヤく様に切り出した。







「メイファン?」



「うん‥。

なんかこのままエスカレートして、県内のレディース全部ぶっ潰せとか言いそうじゃん」



「それって普通じゃないの?」



「普通じゃないっしょ‥‥」



「ふうん」







隠れてタバコを吸ったりはしていたが、私は普通に学校にも通っていたし、サヤ達の様に完全な不良という訳でもない。


そんな私からすれば、不良はどいつもみんな、テッペンを目指して誰彼かまわずケンカをふっかけるのが当たり前の事だと思っていた。







「まあ、気になんなら次会った時にでも聞いてみりゃいいじゃん。

あと何チーム吸収すんのって」



「全部とか言われた時の反応に困る」



「めんどいからヤダって言えばいいじゃん」



「あいつらにそれを言えるのはアンリくらいでしょ」







他のチームを潰し、吸収しろ。


特に深く考えずに了承したが、これは暴走族という下らない遊びの中で、下らないなりに面白くする為の一種のゲームみたいなものなんだろうなと、この時の私はそう考えていた。








「とゆうか、あいつは次も参加しない気かね」



「頭ってそういうもんでしょ」



「まあ、いつもおごってくれるから許すけど」