セイラも私同様、既に二人ノックダウンしていて、残りの総長らしき女に馬乗りになって顔を殴りつけていた。
「ハッ、ヨエーなお前も。
なんでこんなヨエーのに調子こいてんだ?」
「や‥やめっ‥」
「ああ?さっきまでの威勢はどこいったよ」
相手の顔は鼻からの出血で血まみれ。
とうに戦意など失っているにも関わらず、セイラは尚も顔を殴り続けた。
「ハッハー、泣いちまえよカス!オラーッ!」
「ゥッ‥‥も、もう降参‥する‥」
「ハァー!?もっとデケー声で言ってみろよ」
(‥‥‥‥)
呆れる程に下品で不愉快。
私はセイラの背後から振り上げる拳にストップをかけた。
「ちょっとちょっと、やりすぎ。
サヤ達までビビらせてどうすんの」
「‥‥‥」
掴んだ右手を引っ張って立ち上がらせると、セイラは右手を乱暴に振りほどいて倒れる敵の横腹に蹴りを入れた。
「チッ」
「うっ‥‥」
「‥‥おいおい。
ちょっとあんた、凶暴すぎない?」
「あ?
力の差を見せつけるってのは、こういう事だろ」
「なるほど、バカか」
「ああ?」
二人だけで殲滅するという所まではいい。
しかし、私みたいに相手に何もさせずスマートに勝てば、それだけで実力差を見せつける事にはなり、セイラの様に余計なカロリーを消費せずとも相手の戦意を奪う事は可能。
柔道の試合同様、プロレスにだって審判はいるのだから、やってきたスポーツの違いではなく、単にセイラが人間よりも獣寄りのバカというだけの話なんだが、一応、仲間になった以上、あまり単細胞な行動は控えてほしいものだ。
「えっと~、なんて言ったっけ?
あんたらのチーム名」
「‥し‥四天玄女‥」
「そうそう、それね。今日で解散。
オーケー?」
「‥‥‥」
仰向けでこちらを見上げ、服の袖で血を拭いながら、ポカーンとする相手の総長。
「今日からあんたらも、紫禁嬢」
「‥‥‥‥」



