紫禁嬢─魅せられし夜






1970年代、後半の夏。


あれから2カ月あまりが経過し、私たちは紫禁嬢としての活動を本格的にスタートさせていた。







「ウチらを呼び出したのって、あんたら?」



「そうで~す。紫禁嬢で~っす」



「‥‥‥」






あの夜、メイファンに指示された黒い特攻服を羽織る、セイラを含めた私たち10人は、地元のレディースの女を河川敷に呼び出していた。







「‥‥紫禁嬢?聞かない名前だね。

頭は?」



「ん?この人」



「あたしじゃねえよ‥」







ヤンキー座りをしたまま、ふざけてセイラを指さしていると、呼び出したチームの総長らしき女はピクリとも笑わず、さぞやご立腹の様子だった。







「つーか、そこの奴ら見覚えあるんだけど。

あんたら愛美李亜だろ」







サヤに続き、元エミリアのメンバーはゆっくりとその場に立ち上がると、サヤはそいつに背中を向けて黒い特攻服の刺繍を見せつけた。







「ちゃうよ、今は紫禁嬢。ほら」



「‥別にどっちでもかまわないけど、やんの?」



「やるよ~、命令だから」



「‥‥‥」