そして、その日の夜。
私たちはメイファンに指定された市内にある公民館の広い駐車場へ、原付を含めたバイク5台で向かった。
「‥誰も居ない」
単車から降りたサヤはそう言って辺りを見回すと、タバコに火をつけて一息ついた。
「私はすぐ帰るから、最初に説明してよ。
アンリちゃんは部外者ですって」
「分かったってば‥」
それから程なくすると、1台の車がゆっくりと駐車場内に入って来て、その後も続々と黒塗りの高級車が連なって入ってきた。
「え‥なに‥」
(‥‥‥)
フロントガラス越しに見える人相の悪い男達。
明らかにカタギの人間ではない。
「お待たせ」
『‥‥‥』(‥‥‥)
連なる車の中の1台から、昼間の二人組、メイファンとセイラが降りて来た。
「‥‥用件は?」
サヤもすぐに車の中の人間達に気づいたらしく、少し怯えた様子で話を切り出した。
「昼間言った通り、私の下に付いてくれない?」
「‥あんた、レディースなの?」
「今夜から」
「え‥どういう意味‥」
するとメイファンはクスッと微笑み、隣に立つセイラが右手に持っていた黒い上着らしき物をサヤに手渡した。
「‥これは」
「特攻服だよ、お前らの」
「は?」
渡された特攻服を広げ、サヤは背中の部分に入った刺繍を読み上げた。
「‥紫禁嬢?」
「これからお前らにはこのとっぷくを羽織ってもらう」
「なっ‥そんなこと出来るわけ‥」
その瞬間、メイファンが再び口を開いた。
「なら‥拒否する?」
「‥‥‥」



