何か大きな事に巻き込まれている予感はあった。
あの女はきっと、マトモじゃない。
こんな面倒な事になると分かっていれば、遊び半分でレディースの助っ人なんて引き受ける事もなかったのにと、少し気が重くなった。
「大丈夫か~春子」
その後、私は未だ苦痛に顔を歪めるサヤの仲間に声をかけた。
「‥アンちゃん、あいつ多分、女子プロだよ」
「女子プロ?」
「プロレス技っぽいの使ってきた‥‥」
「‥‥マジ」
何かやってる人間だとは思っていたが、レスラーはさすがに予想外。
そして何より、私の柔術とは相性が悪すぎる。
(危なかった‥‥うっかりサヤ達を助けようものなら、もしかしたら私がやられてたかも‥)
例え相手が女子プロレスラーだとしても、畳の上での勝負なら勝つ自信はある。
しかし、コンクリートの上でのストリートファイトとなると話は別。
相手に受け身を取りやすい形で落とす事に慣れてしまっている私の柔道技と、加減を辞めるだけで簡単に相手に致命傷を与える事の出来るプロレス技とでは相性が悪すぎる。
「‥まぁ、とりあえず頑張ってね」
「他人事!?」



