もし性別分けされたオリンピックが開催されていたら、私は金メダルを取る自信があった。
それ程に鍛えられてきたし、そもそも女の柔道家なんてこの時代には数える程しかいない。
しかし、私の強さへの自信はこの瞬間、あっさりと消されかけていた。
「‥あんた、本当に女?」
「触って確認する?」
「‥‥‥」
身長は175センチ前後。
でも、声や顔、身体付きなどは完全に女。
男ならまだしも、女で私より強い奴が存在するなんてあり得ない。
(空手‥テコンドー‥いや、中国人って事は拳法とかの類‥‥。
それに隣の女‥。
明らかに素人のガタイじゃない。それこそ体術や柔術とかで鍛えられた様な体型してる‥‥
なんなんだよこいつら)
まさに蛇に睨まれたカエル。
私は完全に戦意を失い動けずにいた。
「チッ‥‥いいよもう!アンリは下がってな!
やるぞっ、お前ら!」
サヤの怒号と共に仲間達は戦う覚悟を決め、それを見ていた小さい方の女はメイファンという女と視線を合わせ、ヤレヤレといった感じでこちらへゆっくりと歩き出し、
固まったままメイファンから視線を外せない私を素通りしてサヤ達の前へ詰め寄った。
「かかってこいよ、不良共」
「やってやんよ‥‥」
次の瞬間、私を除いた8人の女達は一斉に小さい方の女へと襲いかかり、唐突にケンカが始まった。
(‥‥‥)
「‥‥‥」



