紫禁嬢─魅せられし夜





病院を出た私たちは、タクシーを拾わず少し歩いた。







「良かったね、お気に入りが手に入って」



「ヤキモチ?」



「‥‥あれ、そうなのかな?

トゲあった?」



「サボテンくらいあったよ」







本当に無自覚だったが、言われた本人がそう感じたのなら、おそらくそうなのだろう。


それはどんな思いから生まれる物かはよく分かっていないが、この時は少し、ヤキモチだけではなくプライドみたいな物も関係していた。



ネネは私より強い女だからという。








「あいつも幹部でしょ?」



「そう。8人目の幹部」



「マフィアかあ。楽しいの?それ」



「‥‥‥‥」



「?」









並んで歩く私の顔を、横目でチラッと見てくるメイファン。








「どうしたの?」



「アンリは怖くないの?」



「別に~」



「嫌じゃないの?」



「別に~」








あっさりとそう答えると、メイファンは不思議そうな顔をしていた。








「そういう性格なんだよね~。

メイファンの手下になるって言ったから、それ以外の道を考えようって気にならないんだ」



「そっか」