紫禁嬢─魅せられし夜






ボロボロの顔でゆっくり振り向くと、メイファンは単車の上で足を組みながらクスッと笑った。







(‥時間切れってこと?


タイマンじゃなきゃ、意味ないんじゃないの‥)








ネネが殴られる音に我に返り、私はバッと振り返った。









「‥‥っ、ちょっと!もういいでしょ!」








ネネに馬乗りになって顔を殴りつけていた智子を、後ろから引っ張ってどかした。










「‥ネネ!おい、ネネ!」



「‥‥‥‥」









頭を打ったのか、それとも痛みが限界に達したのか、ネネは意識を失っていた。








「‥‥‥ッ」








ツカツカとメイファンの元へ行き、私は問いただした。








「なんで智子らケシかけたの」



「これ以上、アンリの綺麗な顔に傷つけられたくなかったから」



「‥‥‥‥」



「というのは冗談。

あのままやっても無意味だからだよ」



「‥ギリギリで勝っても意味ないから?」



「負けてた可能性もあるしね」



「‥‥‥‥」