紫禁嬢─魅せられし夜





それにしても不気味だ。

たった二人で9人の不良にケンカを売る言動はもちろん、単車にまたがる女の傍らに立つ小さい方の女も、腕組みをしながらニタニタと笑っている。






「な‥何がしてーんだよ、お前らっ。

ケンカ売ってんなら買ってやるよ!」



「支配してあげる」



「‥は?」






その瞬間、髪の短い方の女が突如、サヤの腹に蹴りを入れ、サヤは吹っ飛ばされた。





「っ!‥‥いってぇ‥‥」



「メイファン、こいつらヤッていいんだろ?」



「一応、確認してからかな」



(‥メイファン?

日本人じゃないのか、こいつ‥)






蹴り飛ばされたサヤの元に後輩が駆け寄るが、誰一人、この不気味な二人組に応戦しようとする者は居なかった。






「私の下に付いてほしいんだけど、どうかな?」



「‥な、なに言ってんだよ、お前‥‥」



「素直に従ってくれれば、これ以上は痛い思いしなくて済むよ」



「‥‥‥」