嫌いなものは病院なの-Second-

悠馬side



「ただいまー」
玲「おかえり!遅かったね!ご飯温めて食べてね!私先に寝るね!」


今しかない!
「あ、玲菜!ちょっと待って!」
玲「ん?!何、、、?」


「来月の17日って何かある?空けといて欲しい」
玲「17日?んー、確認しとくね!ちなみに、、、なんで?」


もう勘づかれてる、、、?正直に言うしかないか。
「んー、病院」
玲「っえ?!なんで、ちがうよ!まだだもん!」


「神谷先生じゃないよ?石岡先生。」
玲「、、、ぃや。行かない、、、泣」


この反応はやっぱりそうかも。

「れーな、行きたくなくてキャンセルしたの?怒ってないから教えてほしいな」
玲「やだ!ホントにやだったの!お願い、もう行きたくない!!悠くん!!!泣」


「嫌な気持ちもわかるけど、勝手にキャンセルされてて俺も石岡先生もビックリしちゃったよ?」
玲「じゃあもう1回キャンセルして!もう行かないって言って!」
「それはできないよ?大事なことだから。」


玲「、、、悠くんは、悠くんは何も知らないからそんなこと言えるんだよ。やられる身にもなってよ、、、」
そう吐き捨てて部屋に行ってしまった。


“やられる身にもなってよ”

頭の中でリピートする。確かに実習とかで色々と経験はしてきたけど、眼底検査は未経験。




―数日後


「お忙しいところ申し訳ありません。よろしくおねがいします!」
石「まさか、五十嵐先生が来るとは驚きですよ(笑)」

休みを使って眼底検査を体験してみることにした。
ヤバいやつかな(笑)?


まず瞳孔を開く目薬。
ちょっと沁みて痛いかも。、、、これを2~3回。
、、、段々眩しくなってきた。あーちょっと辛いかも。


石「眼底診ていきますねー。眩しいですが、頑張って正面見ててくださいね!」
「はい!」

とは言ったものの、、、
石「、、大丈夫ですか?(笑)頑張って目開いてくださいね(^_^;)」


開いているつもりなんだけど、眩しくて、、、。
「これ結構辛いですね、、、。うわ俺もムリかも、、、」
石「基本的に皆さん嫌いですね、、、。できそうですか?」


玲菜に頑張れって言っておいて俺が途中でやめるわけにはいかない!
「頑張ります!」


その後も上下左右を見てじっくり眼底を診てもらった。
石「辛いですが最後もう一度正面見てくださいねー」
「、、、(笑)正面ですか?、、、ちょっと待ってくださいね、、よし!!」
気合を入れて目を開ける。


石「はい、いいですよ!どうでしたか?」
“どうでしたか?”は基本的には診てもらった側の言葉なんだけどね(^-^;(笑)


「想像以上につらかったです。これは軽い気持ちで頑張れとは言えないですね、、、」
石「そうですね、、、。ちなみに眼底は綺麗でしたよ(⌒∇⌒)」

それは良かった。


今回眼底検査を受けてみてよーーくわかった。
これを定期的に受けるってなると俺でもイヤかも。
検査自体は痛くはないけど、つらい。あと、検査後も数時間は瞳孔が開いてるから見えづらいのもしんどい。

よく頑張ってるなー玲菜。



潤side



「え!眼底検査したの?」
悠「うん、やってみた。結構しんどいね、あれ。」

玲菜の言葉で悠馬が眼底検査を受けてみたと聞いた。
「患者側の立場になって考えましょう。なんて言うけどさ、やっぱ考えるよりも経験って大事なんだな!」
悠「いや、マジでホントそれ!潤もやってみろよ!つらいから!」

「うん、まぁいつかな(笑)つらいから!って言われてなかなかやる気にはなれないけど、、、」

ちなみに小さい頃はタオルでグルグル巻きにされて眼底検査を受けていたんだとか、、、。