嫌いなものは病院なの-Second-






数日後、学校から電話があり
玲菜のことをイジメた学生の保護者が謝りに行きたいと言っていると連絡があった。


〈それは本人たちが謝りたいと言っているんですか?保護者が謝りに行かせたいと言っているのでしょうか?〉

謝る気のない謝罪ほど無意味なものはない。時間の無駄なだけだから。


本人たちからも、保護者からも謝りたいと連絡があったとのことだったので、日程を調整した。



玲菜をイジメた3人の学生とその保護者。ご両親揃って来てくれた方もいた。

『この度は大変申し訳ございませんでした。』
『自分たちの、したこと、、が、、こんなことに、なるなんて、、、思わず、、。申し訳ありませんでした。泣』


「玲菜はね、小さい頃から心臓が弱いんだよ。他にもたくさん持病があって学校に行きたくても行けないことだって少なくない」
「体育もね、ずーっと“みんなと一緒にやりたい!”って言いながら治療を頑張ってきた。なのに仮病だと馬鹿にされて笑われる。この気持ち、考えたことある?健康であることってさ、当たり前じゃないんだよ?」

「折角だから、院内をよく観察して歩いてごらん?みんな頑張って生きようとしてる。一見元気そうに見えてもね、見えていることが全てじゃないんだよ。むしろみんな普通になりたくて、普通のフリをしながら裏ではとーっても頑張ってるんだよ?゛知らなかった”としても、自分たちの行動、もう一度よく考えて一生忘れないでいてほしい。」


泣いている女子高生をさらに泣かすことになってしまったけれど、どうか伝わってほしい。命の重みを。


「玲菜が元気になったら、仲良くして支えてあげてくれると嬉しいな」

玲菜には会うことはできないけれど、謝りに来たことは伝えておくね。と言って別れた。


その後改めて学校の先生たちも来てくれた。



―玲菜の病室


「玲菜ー今日みんな来てくれたよ。先生たちも待ってるよって。玲菜はみんなに命の大切さを教えてくれたんだね。」
玲「    」

「また痩せちゃったから起きたらおいしいものいーーーっぱい食べような!ケーキでもパフェでも!」
玲「    」


おねがいだから、俺を1人にしないでくれよ、、、泣





潤side



玲菜が救急搬送されてから9日が経った。
連絡がくるわけないのについ癖で玲菜とのチャットを確認してしまう、、、。


神「あれ?結城?今日オフじゃないのか?」
(;・∀・)、、、!?

ボーっとしていたのか、いつの間にか病院に来ていた。

「え、あ、オフです、けど、玲菜の様子を診ようかと、、、」
神「お!ちょうどよかった」

ちょうど神谷先生も玲菜の回診に行くところだったらしい。


神「玲菜ちゃん!おはよう!」
「れなー!来たよ!」

神「呼吸は安定してきてるね!どう玲菜ちゃん、そろそろ起きてみない?」

玲「、、、」

神・潤「!!!!」
「玲菜!」
神「玲菜ちゃん!?玲菜ちゃん、わかるー?」


玲菜の指がピクッと動いたのを俺も神谷先生も見逃さなかった。
「玲菜!玲菜聞こえる?聞こえたら手握ってー!」

かなり弱々しい力だけど、確かに玲菜の手は俺の手を握ろうとしていた。

意識がはっきりする前に呼吸器を抜管することに。
神「玲菜ちゃん、ちょっと苦しいかもだけどすぐ終わるからねー!」


酸素マスクに切り替えても安定した呼吸が続き、ホッと胸をなでおろす。
神「小児科の五十嵐先生に連絡してもらえる?」

その数分後に息を切らした悠馬が到着。
悠「玲菜!玲菜!」


ゆっくり玲菜の目が開き、悠馬の方を見ている。
悠「よかった、、、。れな、、、本当に、よかった、、、泣」


みんな待ってたよ、玲菜。
「戻って来てくれてありがとう!」

意識は戻ったものの、まだ朦朧としているためICUでのモニターは継続。

悠「神谷先生ありがとうございます!潤もありがとう!」
神「僕は何もしてないよ、玲菜ちゃんと悠馬くんが頑張ったんだよ!」
「うんうん。」