新人執事はツンデレお嬢様を口説きたい

ある日突然お父様が新しい執事を連れて来た。
そいつは新人にも関わらず私の世話係を担当するらしい。
ほんとなんでなの?もっと私に似合うベテランにしなさいよね!
絶対に何かやらかすわ!

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「お嬢様初めまして、世話係を担当することになりました、執事の元久葵(もとひさあおい)と申します」
「ふんっ!アンタに世話される時間が勿体無いわ!早くどっか行ってちょうだい!」
「ちょっとお嬢様!なんて態度ですか!誰にでも礼儀正しくとこの前学校で習ったんじゃないんですか!」

他の執事が私を諭そうとする中私はとっても腹が立っていた。

「そんなの知らないわよ!じゃあ私は部屋に戻るから!」

部屋に戻ろうと振り返った瞬間、腕を掴まれた。

「ちょ!?」
「お嬢様!」

新しい世話係の執事だった。振り払おうとしても力が強くて全然振り払えない。

「ちょ、やめっ!」
「お嬢様!」


そいつは少し照れた様に目線を逸らして言った。


「俺…じゃ、ダメ…ですかね…?」


なぜかドキッとした。
けどこれは恋心なんかじゃない
こいつが気持ち悪くて胸が痛んだんだわ!
決して恋心じゃない!絶対に!


「ダメよ!うるさい!!」
「あっお嬢様っ!」

今度こそ振り払って部屋へ戻った。
そこへ隣の部屋のお兄様がドアをノックして来た。

「小鳥ーっ?入るぞ〜」
「ちょっ勝手に開けないでって言ってるじゃない!」
「あ〜ごめんごん忘れてたぁ〜」

呑気なお兄様にイラつきながらも話を続けた。

「あぁ、そうそう 新しい世話係はどうだ?小鳥。」
「アイツはだめよ!初日からダメなのよぉっ!クビクビーっ!!」
「ふふっ」

お兄様はハッとしたようにドアに顔を向けると

「あ〜…それじゃ、俺は戻るわ!」

急いで出て行った。
少しすると

コンコンコン…

「お兄様!?イタズラはやめて!うるさいっ!」

またお兄様がイタズラして来てると思って
思い切りドアを開けると、そこにいるのは大きなスーツケースを持った執事だった。

「はあっ!?アンタどっか行ってって言ったじゃない!こないでよ!」
「いやそれは…世話係ですし…私だってご主人には逆らえないですよ〜」

ご主人はお父様のことだ。私だってお父様には逆らえないけど…

必死に勢いよくドアを閉めた。
それでもドアを開けてくるので仕方なく部屋に入れてやった。

「やっと部屋へ入れてくれましたね〜」
「お父様に言われたなら仕方ないけど!アンタに心を開くことは無いから!絶っっ対!」
「そ、そうですか…」

少し悲しそうに微笑んだ。