私たちが仲良くなるのは早かった。


いつも一緒にいるから、当たり前なのかもしれないけどそれが普通だと思えないほどの濃い時間を過ごした。


一緒に勉強をし、一緒に空を見た。


体育祭は参加せず、2人で保健室で放送を聞いて、真似たりして。


昼休みのご飯も、みんなより早めに食べて
保健室の先生に呆れられて
2人で笑い合ったし、


放課後、部活動をしているみんなよりも遅く学校を後にして、特別な気分を味わったりもした。



春も、夏も、秋も冬だって


私たちは進級しても変わらず保健室にいた。


____


ある日の放課後、突然真剣な顔をして金城くんは私を見つめた。


誰もいない静かな保健室。


2人で笑い合った保健室が、外の暗さでやけに保健室を明るくさせ、そして特別な気分にさせた。




「好き。付き合って」



真剣な顔の割には淡々と伝えた金城くんの言葉に、私は一瞬戸惑ったが、それが金城くんの良さなのだと実感したんだよ。


私はすぐに返事をして、


その日は手を繋いで帰った。



温かくて、人の冷たさを一瞬にして忘れさせてくれた金城くんに、私は感謝でいっぱいだった。



あの日が来るまでは。