「今なんて…」


「いやだからいつもいますよね」


「あ、はい!」



敬語だけど強めの言葉に背筋が伸びる。



男の子、みたいだけど可愛い顔立ちで、女の子が羨ましがるほどの大きな目がとても目立つ。


それに髪の色は、綺麗に染まったブロンドヘアー。


一言でいうと、トイプードル。


上履きの色からして、この子は一年生だ。



「人のことじろじろ見るのやめたほうがいいよ、普通に」


「あっ!ごめん!」


「……まあ、いいけど」



自分から話しかけておきながらも、会話する気ゼロ。


私も人のこと言える立場じゃないけどね。



「一年生?名前は?」


「……だからなに?」



か、絡みにくい………!


しかも、不貞腐れて名前は教えてくれないのね…。


年下ってだけで、話すの緊張しちゃって
ダメだなぁ私。



「いやぁ、ぐ、具合でも悪いの?
大丈夫?」


「サボり」


「サボり?」


「あんたもサボりでしょ」


「違うよ私は」


「じゃあなんでいつもいるの」


「関係ないと思うけど」


「言えないのね、はいはい」


「言えないんじゃなくて言いたくないの」


「生意気」


「どっちが…!」



………言い合いをして、久しぶりに人とちゃんと会話した感じがして、泣きそうになってしまう。



ダメだダメだ。


この子にまでネガティブな人だと思われてしまう。


そんなんじゃ、ここにも居場所がなくなってしまう。