______
_________
__
2年前、冬。
寒くて手の先が悴む。
そんな朝、私は教室ではなく保健室に一直線に向かう。
ドアを開けた瞬間、保健室のカーテンがフワッと揺れて、ああ、今日も始まったのだと思う。
いつもの風景。
いつものベッド。
いつもの先生。
「先生、今日もすみません…」
「いいけど少しは頑張ってみたら?
…ほら、ここ保健室だから」
何か他にも言いたげな先生だったが、私の表情を見ては途端に口を閉じて、気まずそうに私から離れる。
きっと、邪魔なんだと言いたいのだろう。
私もこのままじゃいけないと思っているし、みんなに迷惑かけてしまっていることも気づいてる。
だけどやっぱり、怖い。
「全校集会は?でる?」
「……いや、」
「先生行くから、座って勉強でもしてなさい」
「…はい」と返事をする前に先生はドアをバンッと閉める。
このままじゃ、見放されてしまう。
しっかりしなくちゃいけない。
だから、勉強だけは置いてかれないようにしなきゃ。
私は何度も何度も階段を登ろうとしたが、登れずに引き返すを繰り返し、諦めた末に保健室で何度も何度も鉛筆を握って勉強をした。
それの繰り返しで、生きていくのだと
卒業していくのだと、思ったのに。
「君さあ、いつもいるよね?」
「え?」
彼に出会ったのだ。

