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「漣さんすごいのね…」
「得意っちゃんなら、先に言わんね!」
「ふふふん♫」と得意げの私。
まさかの有言実行に、2人は驚いた表情で私の手先をまじまじと見る。
「はい!くまちゃん!」
「私に!?」
「僕を養って〜」とくまの手足を動かし、愛嬌を振りまいてみせると、貝崎さんは笑ってくまを受け取る。
そんな私の姿を見て、表情がコロコロ変わる青空くんが真っ先に「なんか、意外なとこ結構多かっちゃね」と頭をかきながら言う。
「私のこと?」
「もっとさ、学校でも自信持てばよかっちゃないと?」
無理だよ……
なんて言えるはずもなく、沈黙が私の空間を一気に暗くさせる。
ゲームセンターにいるのに、音が聞こえない。
ただ、私のドクドクとなる心臓の音が真っ先に耳に入る。
いじめは、無視や陰口だけじゃなかった。
教室に入って感じる冷たい視線と冷たい空気に囲まれた私の席。
一輪の花が添えられ、机には彫刻で削られた様々な悪口。
周りを見渡してもこちらを見ないように必死な様子。
ただ、親友のコソコソ笑う姿が私の心をドス黒く滲ませる。
教室に入ってきた先生は私の様子をみても、すぐに目を逸らして見ないふり。
わたしの目は我慢できずに涙でいっぱいになる。
そんな私の姿を見て、親友は
「泣き虫かまってちゃんは学校来なくていいのに、キモい」
と言ったんだ。
消えたくて仕方がなかったこの記憶も、楽しもうとすると何故か記憶が蘇ってしまう。
こんなんじゃ…
こんなんじゃ意味ないじゃん……

