「着いたわよ」 過去のことを思い出していたせいか、急に隣から貝崎さんの声が聞こえ、驚いてしまう。 一瞬そんな私を見て、2人は何か言いたげだったが、何も言わなかった。 「行きたかったとこって、ここやったと?」 「そう!ここ!」 と、私は精一杯の明るさをみせる。 ダメだダメだ。 いつまでも考え込んでいたらダメだ。 落ちるとこまでいつか落ちるんだから、今を楽しんでおかないと後悔する。 変われない過去の自分のためにも。