無自覚男子にキュン!




「馬鹿でも阿呆でも、そう思われて仕方ないことしてるって分かってるよ。
でも、私もうどうでもよくって」



「は?」



私の言葉にすぐさま反応する青空くん。


とんでもなく馬鹿にしたような視線だ。


それに反対で私を見つめるだけの貝崎さん。



「過去の自分はもうやり直せないし、さ。
だったら今になって問題を掘り返されても何も変わらないじゃん。どん底に落ちるならとことん落ちてやるって思っちゃって。でもそれなら早めにやりたいことやって思い出にしたい」


少ししんみりしてしまった雰囲気をどうにきして変えたくて、微笑みを交えて伝えたはずなのに、2人はというと、余計に可哀想な子を演じているように見えたのか、やけに静かになってしまった。



「あっごめんごめん!
別に深刻に捉えないでほしいんだ!
ただ、2人に今の気持ちを知ってほしかっただけだから、だからその……

いつも通りの2人に戻って」



「……言われんでも普通に戻るし」



「そうだよね、さすが青空くん!」



「へへ」と照れ笑いする青空くん。


だけど、貝崎さんだけは笑わなかった。



「貝崎さんも…変に心配かけちゃってごめん。
せっかくの寄り道だったのに、初っ端から突っ走っちゃったみたい…はは」



「……あなたが良いならいいのよ。
だけど…」



「どうしたの…?」



「……… 漣さんがまた傷つきにいくなんておかしいわ。
過去にあんなに辛い思いをしたのなら、今度は私がちゃんと守れる存在でいたいのよ。
少しでもそばにいて、力になりたい。
不安な気持ちを一人で抱えないでほしい。
「大丈夫」って、何度でも伝えたい。
だけど、それが届かないならどうすればいいの?」



「おい、あんま無理強いしなんな」



「でも…!」



ああ、そっか。


2人にももう話入っちゃってるんだ。


私が中学の頃にいじめられてたこと。