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授業中、隣の青空くんが妙なことを言った。


『ネガティブなんや?』と。


なんだか胸のざわめきが私を襲う。


嘘だ。


きっと、偶然に違いない。


私の中学時代のことを知ってる人なんていないはずなのに。


どうしても、今朝の恋夜さんが言った言葉が引っかかる。


どうして………


………ゾクッ


背筋から寒気がして、私は後ろを振り向くが
帰りの準備をしている貝崎さんが私を見るなり
手を振る、だけで何も変化はなかった。


やっぱり、気にしすぎなのかな。



「よし、帰りましょう」


「うん!」


今日は貝崎さんがずっとそばに居てくれるおかげで
すごく心地が良かった。


と、直接言いたいところだけどこんなことを言ったら貝崎さんのことだし、照れてしまい、逆に怒られてしまいそうだな。



「なーに笑ってるのよ」


「え?」


しまった。


最近のわたしは、気持ちがすぐに顔に出てしまいがちだ。


「帰るの?」


航くんがリュックを背負いながら私の机の前に立つなり、無表情で私に問う。


「あっうん!航くんももう帰る?」


「いや、ちょっとまだ」


「…あっそうなんだ」


「うん……」



あれ…?


結構前まで普通に会話できていたはずなのに
すごく居心地が悪いのは何故だろう。


「愛須くん!!!」


今朝、航くんに声をかけていた可愛らしい女の子が
また小走りで航くんに駆け寄る。


「お、きたきた」


え?

きたきた…って?


モヤッとしてしまう私がとんでもなく嫌な女だってことが分かる。

でも、どうしてもモヤモヤしてしまう。



「おまたせ…!えへへ」