航くんは足を止めた私を見て、 もう一度力強く腕を掴み直し、私の顔を覗き込んだ。 「胡桃ちゃん振り向いちゃダメ。 俺は何も知らないから」 何度だって航くんに助けてもらっている。 航くんのこの言葉にいつも救われる。 私はとにかくここを離れなければいけないと思い、小走りで航くんの後ろについていった。