「なに2人で見つめ合ってるのよ」



貝崎さんだ。



助かったという気持ちが強い。



「貝崎さん、よかった。
俺もうすぐリレーだから、胡桃ちゃんのことよろしく」



「…ほんと、ここにきて初めて名前を呼ばれたかと思ったら漣さんのためね。
分かったわ。
愛須さんの活躍を漣さんに見届けてもらえない思うと少し貴方が可哀想だけど、頑張って」



皮肉らしい言葉を言われ、次は航くんが黙ってしまう。


ちょっと待って?


なんかこの感じ、ものすごく仲の悪さを感じてしまうのは気のせい?


私は呑気に3人と仲良くなれて嬉しい!の気持ちでいっぱいだったけれど、もしかしてこう思っているのは私だけなのではないか、と急に不安になった。



黙ったまま、航くんは保健室を出たようで
その数分後に不服そうにブツブツ言いながら青空くんも保健室を後にした。



「起きてるんでしょ?」


「!?」


驚きのあまり思わず目を開く。


「ほら、やっぱり」


「なんで!?」


「あんな大声で喋られたらそりゃ起きるわよ。
主に青空楓のせいね。あいつはうるさいわ」



「ふふふ」と笑みをこぼし、それを見た貝崎さんも安心したかのように微笑んだ。