「愛須くん!?」


あ、やばい。


バッと"世奈様"が私の腕を離す。


これじゃあまた木にぶつかってしまう。


体が宙に浮いてるかのような感覚がし、私は痛みに耐えようと最後の力で必死な思いで目を瞑る。




……



………………




………あれ、痛くない。



ゆっくりと目を開けると、感じたことのない温もりが伝わってくる。



「もう、大丈夫だからね」


「航くん…?」



航くんの優しい表情を目にした途端、安心し、また目を瞑ってしまったのだ。