無自覚男子にキュン!





苦しい。



「ごめん私ひとりで行くから大丈夫」


こっち見ないで。


こんなにドキドキして、胸が苦しいこと
航くんに知られたら、恥ずかしい。


私は唇を噛み締めて、教室から出て行く。


この感情になってしまうのは、寝不足のせいなのか航くんが変なこと言うからなのか。


私は一体今日という日をどう過ごせばいいのか考えすぎておかしくなりそうだ。



私はボーっと歩いていたせいで保健室を通り過ぎ、学生たちの流れとやらに身を任せすぎて、通常通り校庭に来てしまっていた。


どうやら私は本当に体調が悪いらしい。



「ちょ、おい!なんで保健室行っとらんと!?」


「漣さん、なにをしているの!?
ああ、もう私が一緒にいなかったせいね」



校庭の集合位置についた瞬間、青空くんと貝崎さんに見つかる。


そして、いつの間にか過保護のような接し方の2人。


目の前で繰り広げられる言動に、体調が悪くても笑ってしまう。



「だーいじょうぶ、えっへへ」


宣誓が終わったら、保健室に行こう。


保健室へは必ず行く、と2人に誓い、2人は納得のいかない感じだったが、すぐに体育祭の開祭式が始まってしまったために仕方なくといった様子で私から離れていった。