無自覚な航くんを思うと、この言葉に深い意味はないのだろうと思わないと、私の平常心が掻き乱されてしまうのだ。 「まあ、本当はそんな事が言いたいんじゃなくて…」 次に言おうとしてる言葉が何であれ、まだまだ平常心は続行しなければならないのだと分かる。 「なに…?」 「うん、えっとね… 俺は好きだよ。そういうとこ」 ああ、ほら。 またそうやって。 私の心を惑わす。