「では、綱引き希望が多いのでじゃんけんしますので、綱引き希望の子達は集まってねー!」



私の後にも綱引きに名前を書いた子たちがいたおかげで、最後までブーイングされることはなく、助かった。



けど、気持ちはまだドキドキしていて、手に汗が握る気分のまま立ち上がる。



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「どうやった?」



「マケチャッタ……」


体が硬直してしまうほどのショックさに、青空くんでさえ引いてしまうこの有様。


昔からジャンケンになると負け率は高かった。


でもなんだか最近の私は調子が良かったから調子に乗ってしまっていたのだと思う。



「え、胡桃ちゃんもしかしてさ」


航くんが身を乗り上げて会話に入る。


「もしかして必然的に種目、借り物競走ってこと?」


「うん、そうみたい…」


よりによって皆んなが1番やりたくない、そして、もはや私がやってはいけない種目をやることになってしまったのだ。



「そっかぁ。まぁもし当日困ったら助けるからねぇ」



「ありがとう…」