なにかが私の足をとめる。 それは、 窓ガラスに反射して見えた綺麗で立派な桜 の下に、1人。 振り返ると、男の子が桜を見上げている姿が見えたのだ。 なんでそこに…? 綺麗で真っ直ぐなブレザー、きっと私と同じ新入生だよね…? 振り返ったまま立ち止まる私に、何人かがしかめ面をしながら横切る。 「あ」 目が合った。 遠くからでも分かる。 向こうもこちらをみているのが。