グッとチョークを握りしめ、私は名前を書き出す。
案の定、「えー」「ジャンケンかよ面倒だな」「戦力にはならん」等と、ブーイングが始まる。
自分でも思っていたことを皆んなが代弁してくれているだけなので、かなりの無傷さに少し笑ってしまう。
書き終えたところで、ガシャンと椅子が倒れる音が後ろから聞こえてくる。
まさかまた航くんが庇うなんてこと……
咄嗟に振り返ると、".青空くん"が顔を真っ赤にしながら立っていた。
「あんまり気にすることなか。自信持たんけん言われてしまうっちゃん。しっかりしぃ」
驚いた。
まさか青空くんがこんな風に庇ってくれるなんて思ってなかったから。
きっと私がブーイングされても無傷な理由って、こうやって言ってくれる友達がいるって分かってたからなのかな。
「ありがとう、青空くん」
席につき、横にいる青空くんにお礼を言うと「しゃあしかばい(うるさいわ)」と言い、耳まで真っ赤にしていた。

