そして体育祭が近づく今日この頃、私の顔は真っ青だった。



「はい!ではこの種目から自分がまずやりたいの決めましょう。いいですか?」



黒板の前に立つ先生がこう言い放つ。



体を動かすのが大の苦手の私は、この時間の前に貝崎さんにあるアドバイスをもらったのだ。



___『運動が苦手なら綱引きが良いんじゃないかしら』


貝崎さんのこのアドバイスのおかげで一瞬気持ちが楽になったが、すぐに貝崎さんは


___『ただ、綱引きはすごく人気が高い種目だってお姉ちゃんが言ってたから、運ね。運』


なんて言うから、私は今すっごく冷や汗をかいている。


ああ、どうしよう。


席の順番でゾロゾロとみんなが黒板に自分のやりたい種目に名前を書いていく。



ちなみに航くんは一学期初めのスポーツテストで足の速さから選抜され、"学年対抗リレー"と決まっていた。



青空くんは絶対勝つんだと言わんばかりの趣で"障害物競走"を選んでいた。



すぐに自分の出番になり、席を立つ。



が、



綱引きと書かれた欄には名前がすでに定員に達していた。



ここに名前をかけば、今書いてる人たちからのブーイングが飛び交ってしまうに違いない。



「漣さん?」と先生の心配した声でハッとする。