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今私はとても幸せだ。



4人で囲んでお昼ご飯を食べている。



入学してすぐにこんな風になるとは思っていなかった。



あの奮闘の末、私はみんなの意見を尊重したかったけれど、上手くはいかず…


『みんなと食べたい…かも』


なんてなんの解決にもならないような私の一言で、何故かみんなが黙り、今、4人、みんなでご飯を口に運んでいる。



「航くん、焼きそばパン譲ってくれてありがとう」


「もう、何回ありがとう言ってんの。照れちゃうでしょ」


隣に座る航くんが、私のことを見るたびにドキドキしてしまう。


男の子がこんなに近くにいることなんて、経験したことない私からしたら、このシチュエーションには勿論頭を抱えてしまう。



「明日はちゃんと弁当持ってこいや。愛須困らせたらタダじゃおかんけんな」


「はい……」


案の定こう言う青空くんに、貝崎さんは睨む。



「楓は胡桃ちゃんに意地悪しすぎだよ。もう少し優しくして、ね?」


航くんにトドメを刺されたのか、青空くんはいつものようにばつが悪そうに頭を掻いた。


素直な子なのは、よく分かるんだけど……


どうしてこんなに私に目をつけるような言動が多いのかは未だ謎。


でも、これからだよね。