晴れて貝崎さんという名前を知ることができ、
晴れて航くんと青空くんたちともお昼を過ごすことができた。
「愛須、最後ん焼きそばパンやったとによかったと?」」
青空くんの鋭い言葉が頭を叩かれているかのような罪悪感となる。
そんな言葉にも航くんは「また明日があるからね〜」なんて言う。
さっきの購買争奪戦で、私たちはやっとのことで前に進めたのだが、その頃にはもうパンは無くなっていた。
その時にパンを2個ゲットできていた航くんが焼きそばパンを譲ってくれたのだ。
青空くんは不服そうな顔をして先頭を歩き出す。
「あの…どこで食べるの?」
青空くんは私の問いに振り向きもせずに「ついてくりゃあ分かるやろ」と冷たく言い放つ。
「そんな言い方ないんじゃないのかしら?」
貝崎さんは私を庇ったのか、ただ思ったことを言っただけなのか分からないが、なんだかホッとしてしまう。
青空くんはばつが悪そうな表情を見せつつ、変わらず早歩きのまま歩き出した。
数秒経った頃には「ここで食べるばい」と青空くんは立ち止まって、こちらを振り返る。
振り返った表情は先ほどの不服そうな表情とはまた違って誇らしげな顔をしていた。
「ん……ここ」
「立ち入り禁止じゃない、私は却下よ」
航くんや貝崎さんは心配そうな表情だ。
でも、私は少しドキドキしてしまっている。
「なんね、行かんと?」
青空くんの問いに私は間髪入れず「行くよ!」と言った。

