少しして、 「ごめんごめん、お待たせ。」 と男がデカいファイルを片手にリビングに戻ってきた。 「君、名前は?」 男は、そのファイルをペラペラとめくりながら、 俺に聞く。 「...白波 湊(しらなみ みなと)です。」 男はページをめくりながら、 これでもない、あれでもないと ぶつぶつ言っている。 何ページかめくると、 「あった、これだ。」 とそのページを広げてテーブルの上に置いた。