「すみませーん」 もう一度、さっきより大きな声で 呼びかける。 すると、 「ん?誰か呼んだ?」 と、さっきの男がキッチンから顔を覗かせた。 男は俺を見るなり、 「あ、さっきの子じゃーん。 やっぱり、ここに住む子だったのか。」 と言った。 「ちょっと待ってて。」 そう言いながら、長髪の男は またキッチンへと消えていく。