「全く...あいつは」 ため息混じりに、男がぼやいている。 なんだか、兄貴と弟... いや、お母さんと息子みたいだなと思った。 「まあ、いいや。 入ってよ。」 男は、もう一度重そうな袋を持ち上げながら、 俺に言う。 「...あ、お邪魔します。」 言われるがまま、そう呟いて 玄関に上がろうとすると、 男がクスッと笑った。