「早く、早く」 と男に急かされながら、 玄関の扉に手をかける。 ガチャリと音を立てて、 扉が開く。 「はあ〜 手がちぎれるかと思った。」 男は手に持っていた袋を玄関に置き、 重みで真っ赤になった手をひらひらと振っている。 俺も続いて、中に入る。 中も想像通りの立派さで、 玄関だけでも、 実家の俺の部屋くらいの広さがある。 本当にこれがシェアハウスなのかよ... 大きさと豪華さに驚きながら、 キョロキョロ見回していると、 玄関とリビングを仕切る扉が サッと開いた。