七日間だけの、 恋予報

「部室においたのは確かなんだね?」

そう言った自分があまりに探偵のようで少し笑ってしまう。
まぁ元来探偵なんて向いていないのだから仕方ない。
彼女にカッコつけたくてそれっぽく振る舞っているだけなのだから。

「ええ、絶対あってる」

そう確信を持って言う咲空さん。

「成程、じゃあ部室に咲空さんが出た後も残ってた人、もしくは今日咲空さんが学校に来る前に部室にいた人はいる?」

そう聞いた。
原稿泥棒がいるかもしれないからだ。
もし原稿泥棒がいたとするのならば、咲空さんより前に部室に来るか、後に帰るかの2択だ。

「両方部長だけよ。」

と言うことはもしも原稿泥棒がいたとするのならば、部長さんと言うことになる。
その時、僕はあることを閃いた。

「ねぇもしかしてだけど、その原稿机の上に置いたんじゃないの?」

そう自信を持った声で言う。
外れていたら恥ずかしいどころの騒ぎじゃない。

「え、そうだけど。なんでわかったの?」

そう驚いた声で言う咲空さん。
目を見張ると言う言葉がピッタリな顔をしている。

「これは推理でもなんでもない勘なんだけど、もしかしたら部長さんが提出したと間違えて回収して行っちゃったんじゃない?」

そう言った。
推理でもなんでもない勘であることは事実で、でもなんとなくあり得ない話じゃないような気がした。

「成程、それはあるかも。ちょっと部長に聞いてくる!ありがとうノアくん」

そう言って彼女は走り去っていった。
廊下を走っちゃいけないと言うのはとりあえず置いておこう。
だってそんなことよりも、彼女が美しかったから注意なんて頭に浮かばなかった。
素直に彼女に見惚れていた。