七日間だけの、 恋予報

「ところで、なんであんなところにいたの?通学路とは逆方向でしょ?」

そんなことを聞いてきた。
うまく話をそらせたと思ったけどどうやらそらせていなかったらしい。

「あーね、それはさ、まぁいいんじゃない?」

さっきのこともあるけれど、どうやら僕には根本的にものを誤魔化す才がないらしい。
もっとうまく誤魔化せれば話を逸らせたかもしれないけれど、これじゃ到底無理だ。
案の定

「いやよくはないから」

そう的確にツッコまれた
地味に心が折れる。

「いや、そうだよね。ごめん。でもこれだけは言わせて。ストーカーではないから」

それだけ訂正した。
流石にストーカーと勘違いされたんじゃやってけない。

「そう、で、なんでいたの?」

全く、まともな疑問だ。
恐る恐る、怒られることを覚悟して僕は口を開く。

「実は、一緒に学校行こうと思ってて呼びにきたんだけど、インターホン押していいのかわからなくて悩んでた」

そう素直に白状した。
その瞬間咲空さんは「ぷっ」っと吹き出して、笑いながら

「なんだ、そんなことだったの!?」

そう言った。
おかしくてたまらないというような風だ。

「インターホンなんて好きに押してくれて構わないのに」

笑いを含んだ声で、しかもびっくりするほどの満面の笑みで彼女はそう言った。
ああ、愛おしい。

「そう?なら次からは頑張ろうかな」

簡単に言ってみるけれど、実際はかなり難易度が高そうだ。

「そう?なら次からは頑張ろうかな」

簡単に言ってみるけれど、実際はかなり難易度が高い。
笑いながらも内心でそんなふうに思っていると──

咲空さんが、すっと僕の手を取った。

「……?」

驚いて顔を上げると、彼女はいたずらっぽく笑っていた。

「じゃあ、次からはこうして迎えに来て」

その声は、冗談半分、本気半分の、優しい響きだった。
咄嗟に何も言えず、ただうなずく。
繋がれた手のひらから、心臓まで、あたたかいものがじわじわ広がっていく。
朝の光が、ふたりをそっと包み込んでいた。