七日間だけの、 恋予報

僕は今日、好きな人に告白した。
季節外れの風が服の裾を揺らし、
心の奥にしまっていた想いまで、そっと引きずり出していくようだった。

返ってきた言葉は、透きとおっていて、けれど確かに冷たい。

「申し訳ないけれど、貴方の気持ちには応えることができない」

その言葉は、刃物ではなかった。
けれど、よく磨かれたガラス細工のように、繊細で、残酷だった。
割れそうで、でも確実に胸の奥を刺してくる。

僕は、笑おうとした。
だけど、笑い方を忘れてしまったみたいで、
ただ口元がぎこちなく歪んだだけだった。

けれど、彼女は続けた。

「でもね、私、貴方のこと、嫌いじゃないのよ。むしろ……とても素敵な殿方だと思ってる」

“殿方”なんて、まるでおとぎ話の登場人物みたいな言い回しに、
一瞬だけ現実がにじんだ気がした。
だけど、その目は――夜明け前の空のように真剣だった。

「私は、いい加減…初恋にけりをつけたいの」

その言葉が、冬の終わりの風みたいに、胸を通り抜けていった。

「だからね――一週間。お試し期間を作りましょう?」

僕は、うまく言葉が出せなかった。
自分に彼女を落とせるほどの力があるとは思えなかったから。

だけど、たった一週間。
それだけでも、彼女の隣にいられるのなら――。

僕は、その賭けに乗ることにした。