君に出会ったその日から

大学内で春希を見かけなかったのでその日も1人で帰る事にした。
帰っている間、ずっとさっき仁科さんに言われたことを考えていた。あの時は意地を張っていたが本当は心が折れていた。それが事実であってもなくとも私自身も日々感じていることだから。春希が感じないわけがない。私は人とは違うことに時々泣きたくなる。虚しくなる。
(本心では迷惑がっているかも…)
考えている内に家に着き、鍵を開けると目の前に春希が腕を組んで立っていた。
「おかえり。」
「なんでいるの?」
「なんでって?どこかの誰かさんがあからさまに避けるからこれは一度話さないとと思って。」
「俺、何かした?」
「なんでもないよ。」
「じゃあなんで避けるんだよ!」
春希の語尾が強くなった。
「言いたくない。」
「なんで?いつもならここで引き下がるけど今回はだめだ。なんでも聞くから話してくれ。」
「…。」
「どうしても言いたくないんだな。俺はそんなに信用ないのかよ。」
「違う!」
「じゃあなんだよ!」
「ただ見たから。」
「見た?何を?」
「仁科さんが春希に告白しててキスした…」
「あーあそこ見てたのか?誤解だよ。」
「どこが誤解なの?確実にキスしてたよね?しかも今日仁科さんに言われたの。春希が私に迷惑してるって。だから解放してやってくれって。」