君に出会ったその日から

かすかに聞こえる声に耳を澄ませているとどうやら仁科さんが春希に告白しているようだった。
それ以上は分からないが次の瞬間、キスをしたように見えた。
それを見て心がモヤっとして痛くなった。
ちょうどいいタイミングで後ろから海斗君がきた。
「春希いたー?」
「しっ!」
私は思わず口に手を当て静かにするよう促してしまった。その途端、海斗君も2人の様子に気づいたようで気まずそうな顔をした。
「ああ…ごめん。なんて言ったらいいか分からないけど大丈夫?」
私はその場を離れたくなって大丈夫だよ〜とわざと明るく言って早足で離れる。
あとを追ってきた海斗君に
「見たことは春希には内緒にしてくれる?」と頼んで言わないと約束してもらった。
そして私達が会場に戻った数分後に春希達も戻って来たようだが、私の顔は相変わらず暗いままだった。
私の顔を見た雪ちゃんは何があったか聞きたがったが私はだんまりだった。それを見て雪ちゃんは言いたくないなら言わなくていいと言ってくれた。本当にいい友達だ。
春希も私の顔色には気づいていたように思うが片付けで忙しそうで何も言ってこなかった。海斗君は打ち上げをやめるかと相談してくれたがせっかくの雰囲気を壊したくはなかったし何より私はお寿司が大好きだ。お腹も空いたということで皆で行くことにした。