君に出会ったその日から

そして数日後、ついにビジコンの日がやってきた。時間に間に合うように家を出ると春希が待っていた。
「おっ来た。おはよ〜。」
「おはよう。待っててくれたの?」
「うん。今日頑張ろうね。」
「頑張ろう。」
いつもように大学まで電車で向かう。
駅員さんにスロープを用意してもらい、大学の最寄り駅まで到着した。ここまではいつも通りだった。
しかしビジコンは学生がいない土日なのでそれもあっていつもより混んでいる。さらにキャリーケースを持った観光客も多い気がする。そのためエレベーターが混んでいて何度か逃した。
「いつもより混んでるね。人も多いし大丈夫?車いす押そうか?」
「ううん。大丈夫だよ。ありがとう。」
こんな時に限ってエレベーターが来ない。みんなエレベーターの前で列を成していた。私の車いすはそれなりに大きく数人しか乗れない。申し訳なく思いながら乗って時間を確認すると予想より時間が経っていた。さらに災難だったのはいつも通っている道が工事中で遠回りしなくてはならないことだった。
そんなことがありなんとか大学に着いた時には集合時間ギリギリになっていた。